5. 世代で変わるフツーの名前
2011年8月18日(木)
仕事柄、名前や命名本をよく目にします。最近『読みにくい名前はなぜ増えたか』という本を読んだのですが、なかなか興味深い例が出ていたのでご紹介します。
この本は、タイトル通り「読みにくい名前」に焦点をあてた内容ですが、その中に、ある町の広報誌(平成7年~10年)に載せられた新生児の名前と、還暦を迎えた方の名前の対比が載っています。
それらを眺めていた時、ふと、世代によって名前の印象が違うなあと感じました。
どんな印象なのか、これは実際見てもらう方がわかりやすいでしょう。
本から引用させていただくと、新生児の名前は、
樹(たつき) 航也(こうや) 悠貴(ゆうき) 隆司(りゅうじ) 聖也(せいや) 拓美(たくみ) 宏輝(ひろき) 華歩(かほ) 卓矢(たくや) 郭雅(かくま) 慎也(しんや) 一樹(かずき) 里帆(りほ) 龍志(たつし) 志穂(しほ) 涼(りょう) 優津葉(ゆづは) 慈花(ちか) 哲太(てつた) 優哉(ゆうや) 京介(きょうすけ) 拓弥(たくや) 俊(すぐる) 梨沙(りさ) 雅紀(まさき)...
対して、還暦を迎えた方のお名前は、
憲一(けんいち) 正信(まさのぶ) 信(まこと) 由弘(よしひろ) 春作(しゅんさく) 嘉司(よしじ) 守(まもる) 和男(かずお) 重夫(しげお) 耕作(こうさく) 徹(とおる) 憲彦(のりひこ) 正志(まさし) 浩(ひろし) 道子(みちこ) 則子(のりこ) 泰子(やすこ) 律子(りつこ) 穂子(のりこ) 徳子(とくこ) 美智子(みちこ) チエ(ちえ) 津代子(つよこ) トミ子(とみこ)...
どうです?一見すると、新生児の名前はキラキラと輝かしい印象、還暦の方の名前は安定感があり安心して読める、そんなふうに見えませんか。
実際にはこの数倍の名前が列挙されているので、印象はもっと強くなります。
こうやって世代間の名前を眺めていると、フツーの名前って何だろうなぁ、と思いますね。あ、「フツー」というと語弊があるかな?うーんと、平凡というか没個性的というか・・・、いや悪い意味でなく、・・・うーん説明が難しい(笑)。
現在60代以上の方の名前は、法則性が見出されると思うんですね。簡単なところでは、止め字が特定されている点。女性は8~9割は「○○子」という名前、男性はバリエーションがありつつも、「○男」「○夫」「○雄」「○彦」が多く使われています。
しかし新生児の名前には、そういう一定の法則がないように思えます。今まで止め字に使わなかった漢字も使われ、自由奔放なイメージ。だから輝いてるように見えるのかな。
60代の方は「私はフツーの名前です」って言えそうですが、新生児には「フツーの名前だね」とは言えませんね。だって、みんな違うから。「みんな違う」のが「フツー」の世代なのかもしれません。
世代というキーワードが出てきたので、ここで祖父母・親・子の名前を見比べてみようと思います。

左から右に、祖父母・親・子の名前を抜き出してみました。ボックスの左側が男の子、右側が女の子の名前です。この表で見ると、女の子の名前の変化が顕著ですね。男の子は比較的ゆるやかかな?
抜粋してて気付いたのは、祖父母世代は同じ名前が多かったってことです。親世代だとチラホラと、子世代にいたっては、同じ名前は出てきませんでした。ここからも「みんなと違う」個性を求める風潮が見えてきます。
さて、次の世代はどんな名前がフツーになってくるんでしょうね。ブームは一巡りするとも言われてますから、ものすごい古風な名前がフツーになったりして・・・。
いや~、今から楽しみです。
